今でも見る仕事の夢。針を根こそぎ拾う夢

今でも夢に時々出てくる場面があります。
縫製工場で働いていた時に仕事のルールとして、針に関するルールがとても厳しく決められていました。職業用のミシンともなると、とても高速で動くのでタイミングが合わない時、厚い生地を縫う時にすごく針が折れやすいのです。もっと怖いのが自分の指を縫ってしまって針が折れることです。職人さんの間では自分の指を縫って一人前なんて言われていたけれど、やっぱり痛いのです。そんな風にして仕事で針が折れた時にミシン針の破片を片っ端から拾い集めるのです。そして一本の針の形になるまで細かく破片を拾います。製品の中に針のかけらが混入していたら大変なことになるからです。
この針を根こそぎ拾う場面をよく夢に見ます。とにかく焦って見つけて夢から目覚めた時もまだドキドキしていたりして、悪い夢です。だからよくニュースで食べ物にいたずらで針が混入されていたニュースが流れると頭にくるのです。そんな風に針を扱うなんて許せないのです。もちろん針ではなくて他の物でも食べ物に入れるのはだめですけれど、やっぱり商売道具だったのでその辺は嫌ですね。

金額は忘れてしまったけれど製品から針が見つかった時には最悪取引停止になるし、針のかけらだとしても罰金が科せられていたと思います。でも金額ではなくて工場や製品の信頼に関わるのでみんな必死に針を探してくれました。みんないったん仕事の手を留めて針探しをするのです。だから自分がミシンで針を折ってしまって、さらにみんなの仕事も止めてしまうわけですから、もう気持ちも折れまくってしまいます。半分涙目でしたね。
今となってはいい思い出ですけれど、昔の仕事仲間と会うと大体その話が出てきますね。そうそう、その折れた針を復元してテープで張ったノートがありました。結構みんな覚えているものですね。何年たっても覚えているということは仕事に対してそれぐらい責任感を持ってやっていた証だと思います。

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