母親が絵画好きでした

母親がある日、額に入った絵を2枚買ってきました。
聞くと「絵を飾った方が心が豊かになるでしょ。100円ショップで売ってたから、買ってきちゃった」とのことでした。
1枚は、黄色い花が描かれた作品です。
花が好きなのと、飾ったら金運が上がるような気がして購入したようです。
目的はともあれ、黄色い花は元気を与えてくれそうで私は好きでした。

もう1枚は、一面畑になっていて、遠くで畑を耕している人の姿が描かれていた作品でしたこちらは完璧に母親の好みで買ってきたようです。
元気がもらえるような気がしたんだそうです。
今思うと、その当時貧しかった自分と重ねていたのかなとも捉えられます。
2枚の絵は、早速、当時母親と私が共同で使っていた部屋の漆喰に飾られました。
今まで何もなかった部屋に色が添えられて、見る世界が変わったような気がしました。

母親は毎朝起きた時、絵を見て、「今日も頑張ろう」と思っていたようです。
私も絵画からその日一日のエネルギーを分けてもらってた気がします。
当時、畑を借りて野菜を作っていたのですが、絵画のご縁にあやかろうと、ヒマワリの種を植えたことを覚えています。
今はもう畑は借りていないのですが、母親がちゃんと畑からヒマワリを持って帰って庭に移植したようで、夏になると、毎年綺麗なヒマワリが大輪の花を咲かせています。

絵画は私たちの生活に色と希望を与えてくれた気がします。
上京した私にまだ絵画を愛でる余裕はありませんが、いつか心とお金に余裕はが出来たら、またあの感覚を味わってみたいものです。